Den Haag, Delft, Rotterdam (デン・ハーグ、デルフト、ロッテルダム)
12月2日、3日は、オランダ南部の3都市を巡る。Den Haagはオランダの行政都市。中央官庁、王宮、各国大使館が集中する。Den Haagの拡大とともに、南接するDelft、北接する北海沿いのScheveningen(スヘーフェニンヘン:日本ではこの読み方が話題になった・・)とのコナーべーションで知られる。現在、デルフト市電はデン・ハーグの市電と同一企業体が運用するなど、文字通り「連担都市(conurbation)」の本領を発揮している。
日本でもファンの多いフェルメール。現存する37作品のほとんどが室内の人物画だが、数少ない風景画の1つが「デルフトの風景」。デルフト出身のこの画家の代表作は、隣接するデン・ハーグのマウリッツハイス美術館に収蔵されている。
(デン・ハーグを中心に、北のスヘーフェニンヘンから南のデルフトまでをカバーする市電網。2014年7月に改装オープンしたマウリッツハイス美術館のPR車両。目玉は、やっぱり「青いターバンの娘」)
(絵の前は誰もいませんでした。日本に来たときは凄い人だったけれど、ここでは眺め邦題)
(代表作の1つ「デルフトの風景」)
(「デルフトの風景」が描かれた場所は公園になっている。ツインタワーは街の東門で、その左の2本の木の間に隠れるように見えるのが、街のランドマークである新教会の塔。フェルメールの絵では東門より高く描かれている。フェルメールは、卓抜した遠近法で絵全体の写実性を高める一方、東門と新教会の関係に代表されるように、部分部分でデフォルメを入れることで、却って絵全体のバランス感を高め、風景画としての完成度を高めているともいえる)
(デン・ハーグから市電で北へ30分で、北海沿岸のスヘーフェニンヘン。夏は海浜リゾートだが冬は閑散としている。地中海のナポリから来ると、やはり海の色がまったく違う。ここから数十km南にあるベルギーのオステンドで、「仮面の画家」アンソールは生まれ育った。昔、彼の作家論を読んだ際、’冬の北海の荒涼とした風景が、アンソールの鬱的な性格を決定づけた’ という趣旨の文章があり、この種の「環境決定論的な文脈」は好きになれないと思った記憶があるが、現実に冬の北海を見ると、どこかうなずけてしまうほどインパクトがある。)
12月3日はロッテルダム。あちこち独楽鼠のように回ったが、やはり白眉はロッテルダム港めぐり。
(どこか、伊豆へ向かうリゾート特急に似たデザインの遊覧船につけられた名前は、ABEL TASMAN!! )
(世界第3位の貿易額、シンガポールに次いで世界第2位のコンテナ取扱額、ヨーロッパ第1位の取扱額...という説明が続いた)
(コンテナ船ぎりぎりまで接近して、コンテナの積載作業をしばし見せてくれた。日本の湾内遊覧船はこういう部分はなかなか見せてくれないので堪能。TASMANのロッテルダム港探検、GJ!)
(これもヨーロッパ最大の濃縮果汁倉庫。接岸している船名が「ORANGE SKY」はちょっと出来過ぎ?)
それにしても、75分の港内遊覧、外のデッキは寒かった。大方の乗客はキャビンでコーヒーを飲みながらの湾内見物。デッキで写真を撮る物好きは私を含めて3名。これで風邪をひいたら物笑いの種だったが、なんとか持ちこたえる。
夜、スキポールへ戻り、翌朝9:10のフライトでベルリンへ。