La conferenza della universita Sannio (サンニオ大学での講義)

アレは、ヨーロッパでピザ食べて、コンサートに通っているだけではないか(怪しからん、呼び戻せ!)、と思われてはいけないので、きちんと勉強も仕事もしていますというお話です。

12月11日に、お世話になっているMaria先生の大学で公開講義を行いました。サンニオ大学は、ナポリの東約60kmのベネヴェントにある公立大学で、講義はMaria先生が担当している「地域政策論」と「地理学」の合併授業として開講。今季の「地域政策論」は情報化を通じた地域格差是正を議論しているということで、徳島県神山町サテライトオフィス事業を説明する。

授業時間は100分。10分のイントロ、30分の講義、残る小一時間が討論。講義と討論はすべて英語。一番受けたのが、たどたどしいイタリア語での挨拶だったというのはご愛嬌として、(個人差はあるものの)多くの学生が英語での授業について来て、質疑応答でも半分程度の学生は英語で発問した。英語が苦手な学生には、4カ国語を操るMaria先生が、適宜イタリア語への通訳をして下さり、質疑応答も大いに盛り上がった。

学生からの質問の主たる論点は、「日本では、税金を投入して過疎地域に通信回線を敷設することに国民のコンセンサスが得られるのか」「ブロードバンドアクセスの地域差がほぼ解消されたとするならば、なぜ他の町村ではこうした事業が成功しないのか(しているのか)」「こうした事業を推進するリーダーに求められる素養は何か」「他所からの移住者は家族をどうしているのか」「事業に対する補助金はどの程度期待できるのか」など、なかなか鋭いところを突いている。

Maria先生は、単に質問を求めるだけでなく、「仮にイタリア南部の山岳地域であったとすれば」「この試みで先行する(イノベータである)神山町の有利・不利は何か」など、適宜what-if型のロールプレイングを学生に求め、それを質疑の形で発表させた。これは勉強になった。

いやあ、しんどかったけど楽しい100分でした。Maria先生、学生の皆さん、有り難うございました。

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