La esortazione di ENEL (電力会社の「勧誘」)

1月3日朝、さあ、遅れていた原稿の校正作業、と思っていた矢先、外玄関のブザーが鳴る(イタリアの普通のアパートは、日本のオートロックのそれと同じく、まず外玄関でブロックできる)。

私のリアル住所を知っている人などほとんどおらず(メールとSNSの時代ですね)、知っている人がアポなし訪問をすることも考えられないので、しっかり身構えてインターホンに出ると、「電力会社(ENEL)ですが、ブレーカー(blocaato)の件で」。大晦日に電気ヒーターと洗濯機を同時に動かしてブレーカーが落ちたことは事実。それを知り得るのだから電力会社には違いない、ということでお通しした。

会話はイタリア語全開。電力会社の身分証明書を提示する兄ちゃんは、狭い室内を一瞥し、照明器具のLED化と、なにやらの付帯契約の必要性を説き始めた。前者は理解しやすく、こちらも「LED化はとても大切です。私もそう思います。そのうちそれを街の電気屋で買うでしょう。(この程度です・・・)」でやり過ごしたが、後者が良く理解できない。そこで「書類を下さい。電話番号かe-mailアドレスを書いて下さい。私はイタリア語が上手ではありませんが、私にはイタリア人の友人がいます。彼女と相談し、必要であれば私は連絡するでしょう。(やはり、この程度です・・・)」と言ったが、彼は、「私はここに今いて、すぐ契約書は作れます」の一点張りで、契約書を作り始めた。

こうなれば致し方ない。人に迷惑は掛けたくないが、訳の分からぬ契約はできないので、Gala先生の携帯に電話、内容を聞いていただく。「あのね先生、これはブレーカーが落ちて電気製品に故障が生じた場合の保険です。」「は?」「保険の勧誘です。」「私は不要と判断します。mustでは無いですよね?」「私(Gala先生)も断ってます。私はナポリに5年住んでいて、ブレーカーも落ちますが、一度も電化製品の故障はありません。」

ということで、すべてきっぱりとお断りし、平和裡にお引き取りいただく。電力会社(あるいはその外郭団体)が、電力の使用情報をもとに保険の勧誘に回るとは想像がつかなかったが、メガデータのご時世を実感。それにしても、イタリア語が不自由な状態で、この押しの強いトークを掛けられるとつらい。きっと日本に住み始めた外国人も同じような悩みやトラブルを抱えているのでしょう。いざという時に助けて下さる方がいることは本当に心強い。Gala先生有り難うございました。

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(書きかけで破棄された契約書)