Pozzuori (ポッツオーリ)

Pozzuori(ポッツオーリ)は、ナポリの西、約10kmにある古い港町。ナポリのベッドタウンでもあり、ギリシャ・ローマの遺跡やシーフードレストランが集積する観光名所でもあります(鎌倉・逗子と三崎を足したような・・)。

イタリア語学校で、形容詞pericoloso(危険な)を教える際、先生が「EUの火山噴火の危険性ランキングで、ナポリは大都市のNO.1」と変な自慢をしていた(そもそもけったいなランキングがあるものだ)。「何しろ、煙を上げている火口(vulcano)のに、東西から挟まれているもの!」とSandra先生。

ん?東は言うまでもなくVesvioだが、西はどこ?え、ポッツオーリのSolfatara(ソルファターラ)?・・・という訳で、語学学校修了の翌日、もう一つの噴火口詣でに行くことに。

ポッツオーリは、避寒地として、また活火山を背景とする温泉湯治場(Termae:ご存じですね!)として、紀元前6世紀からギリシャ植民地、次いでローマ皇帝の避寒地として栄えてきました。ナポリ守護聖人、聖ジェンナーロ(San Gennaro)もここで処刑されたと言われています。

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ナポリーポッツオーリ間は、私鉄のKumana鉄道で20分。結構激しい車体。ナポリ在住者は、ポッツオーリから先は乗るな、と言っていました)

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(ローマ時代の神殿跡。実は市場らしい。満潮時には海水が遺跡に入ります)

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(ポッツオーリ港を見下ろすRione Terraの丘は、1960年代の地震の影響で立入禁止に。現在は、工事関係者と発掘調査団以外は立入禁止)

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円形闘技場Flavia。この種の遺跡はイタリア中にあるが、地下通路がほぼ完全に残り、往時の奴隷や猛獣の檻が置かれていたスペースを見学できるのは珍しい)

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(猛獣の檻の昇降装置の説明。4世紀のキリスト教弾圧時代に、7人のキリスト教徒が猛獣と戦わされ、猛獣には勝ったものの、打ち首になったという歴史が書かれている)

さて、ソルファターラ。約4,000年前の噴火口で、現在も硫黄泉を吹き上げる。草津白根のお釜の乾いた感じか(自然地理学者の皆様、申し訳ありません・・)。100万都市ナポリまでわずか10kmの活火山だけあり、実はヨーロッパにおけるリモートセンシングによる火山地形監視(Volcano SAR Monitoring System)の草分け的存在。火口の周囲にいくつもの反射板が設置されていました。木曽御岳で日本でも一躍脚光を浴びた仕組みです。

http://www.geowarn.ethz.ch/index.asp?ID=39

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(旧火口。あんな所にアパート建てて大丈夫かしらん)

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(今でも、噴煙や、たまに硫黄泉が吹き上がる)

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リモートセンシングによる火山監視の紹介板。1991年に打ち上げられたヨーロッパ初のリモートセンシング衛星ERS-1によって監視が始まり、後継機のERS-2、ENVISATに引き継がれた、とある)

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(反射板:Corner Reflecters)

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(こんな説明板も!ほんまかいな?)

さて、火山見学を最優先に考えた結果、ポッツオーリのシーフードは、ランチには遅すぎ、ディナーには早すぎ、またの機会にお預けとなりました。

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(ポッツオーリ港の日没。沖合のイスキア島に沈む夕陽をバックに、イスキアからのフェリーが到着)