Amsterdam (アムステルダム)

アムステルダムは海沿いだから、ベルリンよりは暖かいかと期待していたが、超一級の寒波が居座っているとかで毎日最高気温が1度。やれやれ。

オランダは、低平な国土(排水装置としての風車)、ゾイデル海干拓(オランダ人にゾイデル海と言ったら、一瞬?な顔をされ、ああ、アイセル湖ねと言われた)、チューリップ、ロッテルダムの物流基地あたりが地理的トピックの定番となっているが、都市地理学的には、移民比率、単身世帯比率の高い国(アムステルダムの平均世帯人数は1.98人:阿部和俊『都市の景観地理』による)であり、都市部はいずこも深刻な住宅難と、民族集団のセグリゲーションに直面している。

2012年に、アムステルダム西部の郊外型高層団地は見学したので、今回はアムステルダムを南から北に縦断した。おおむね、インナーシティ郊外の低層住宅、都心の景観保全地区(古い倉庫を用いたアパート)、チャイナタウン、運河に浮かぶボートハウス、北部のエイ湾(北海運河)に面した現代建築の住宅群という順で、ほぼ0度の街を一日街歩き。

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(オランダの宿は、空港のあるスキポールにとった。ここは、最終日に飛行機に乗りやすいだけでなく、アムステルダムデンハーグロッテルダムを結ぶ幹線上に位置しており、都市巡りに非常に便利。スキポールからは、有名なアムス中央駅ではなく、南のZoid駅(南駅)の方が近く、ここから街を縦断して中央駅に向かう市電5番のお世話になる)

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(旧市街南部の郊外型低層住宅群。寒いので横着して市電の窓越し)

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(旧倉庫の面影を良く残す運河添いのアパート。中央の観音開きの扉が荷物用で、真上に吊り上げ用の滑車が残る。今でも荷物はここから出し入れしていると思われる)

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(都心のチャイナタウン。西郊には、民族別にムスリムのセグリゲーションが展開する)

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(深刻な住宅問題を「解消」する手段として登場したボートハウス。当初は不法係留であったが、その後係留権が認められた。現在、係留権は新規交付されないため、むしろステイタスとなっており、係留権(あるいはボートハウスそのもの)が高値で取引されている)

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(住所表示、表札、郵便受けを具えたボートハウス。屋上緑化か!?)

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埋立地の古い公営住宅。ちなみに、この隣がアルキメデス、その隣がテオドトス・・・すごい!)

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(北海運河に面したオランダ・コンテンポラリーな高層住宅群①:IJ Tower)

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(② The Whele) 

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(③ Shilodam 公営住宅とオフィスの複合建築)

今回、ボートハウスの資料館があることを知った。税負担(固定資産税)であるとか、売買相場であるとか、統計的な推移など、聴いてみたいことが山ほどあり、楽しみにしていましたが、11月~3月の冬季は、月~水が休みであえなく退却。残念!

http://www.houseboatmuseum.nl/engels/aanbieding.html

 

夜は、コンセルトヘボウへ。恐ろしいほど響きの良いホール。音響の良さでウィーンの楽友協会大ホールと双璧と言われているが、個人的にはややしっとりしたコンセルトヘボウが好み。来年度から常任指揮者に内定しているDaniele Gattiのお披露目で、曲はMahlerの第6交響曲。最近あまり聴かれなくなった、ゆったりとしたテンポで始まり、ピークに向けてaccelerandoをかけるロマン的解釈。個人的には、こういう演奏が好みで堪能しました。コンセルトヘボウ管弦楽団も新しいシェフを迎えての力演で、終演後は満場のスタンディングオベイション。

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