Parigi ② (パリ ②)

シャルリー・エブド事件と同じタイミングでパリに滞在していたため、何人かの方からご心配をいただきました。お気遣いいただき有り難うございました。

7日(事件当日)は、朝一番に北駅(CDG空港へRER線で1本)でスーツケースを預け、南のモンパルナスから北のモンマルトルまで、パリを縦断していました。事件発生時刻には、ちょうどセーヌ川の反対側のオルセー美術館にいました。その後、カルチェラタンで一人ご飯を食べて、現場からほど近い市庁舎を横切っていますが、武装警官が目立った程度で検問等は無く、いくつかのパサージュをつないでサクレクール(モンマルトル)まで歩き通し、結局事件を知ったのは、北駅へ戻ってからでした。

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(ちょうど犯行時刻の頃。オルセー美術館の3Fからサクレクールを望む。)

14 日も(少なくとも夕方は)日本のTVで放映されていた光景が「別の都市」の様でした。北駅からメトロ4号線、2号線を乗り継いで凱旋門まで行き、ここからシャンゼリゼエッフェル塔コンコルド広場を経由してルーブル美術館まで歩き、遅い晩飯をカルチェラタンで食べましたが、この間、一度も抗議の人波や「私達がシャルリ」を目にすることはありませんでした。街中もいたって平静で凱旋門も入場可(前回、2012年3月にパリを訪れた際は、ちょうどアフガンの仏軍兵士が殺害された直後で、この時は凱旋門も閉鎖でした)。

 

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(極めて平静な14日夕方のパリ市内)

 

今回の事件は、事件それ自体は「ジャーナリズムへの暴力」という点でも、「社会の底辺に追いやられた移民若年層の暴発」という点でも悲しむべきことですが、その後の展開は、手前勝手なメディア(一部を切り取って「全体」であるかのように喧伝する手法のみならず、Charlie Hebdo最新号での「挑発行為」も含め)と、政治的な情報発信(扇動も含め)が妙に鼻について、ある種の胡散臭さを感じてしまいます。その意味において(表面的ではあるかも知れないにせよ)14日夜に感じた「パリの平静」は、非常に心強いものでした(ちなみに、9.11の1ヶ月後に アメリカへ行っていますが、これはもう・・・)。