La colonia felina (猫シェルター)

本人はとっくにナポリに戻っていますが、もう1回ローマのネタ。

パンテオンのほぼ真南に、Torre Argentinaの遺跡があります。ローマ時代の寺院跡が4つ並んで発見され、現在も発掘・保存作業が継続中。この日は週末で、ボランティアによるガイドツアーが実施されており、喜んで参加してきました。

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(遺跡の後方にある劇場は、1816年にロッシーニの「セヴィリアの理髪師」が初演されたTeatro Argentina)

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(ガイドの方はボランティア。最後に「日本はお金持ち(ricco)だから予算つきますよね?」と言われて大変困りました。)

このTorre Argentinaの一隅に、有名な猫シェルター(野良猫の保護施設)があります(「地球の歩き方」には載っていない・・)。1993年に設立されたシェルターは、21年間、公式には「遺跡の不法占拠」という形で継続し、こちらも多くのボランティアによって運営されています。

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(現在保護している猫の数は約200匹。多いときは300を超える)

現在、切り盛りをしているMonicaさんに短いインタビュー。シェルターの使命は、短期的には猫の命を守ること(住む場を確保すること)、去勢・避妊を施すこと、そして新たな家(里親)を見つけること。長期的には地域全体で猫の世話をしてもらえる環境をつくること。里親にもらわれる猫の数は2013年計で140匹。ローマ市長が代わり、現在は「追い立て」は無いが、以前の市長の時は不法占拠者として排除にさらされ、世界的な支援を得て施設を維持してきた。子猫は個人の家で飼ってもらえるチャンスが大きいが、大人の猫は難しく、それが課題。国際里親もありで、この間もポーランドの若い夫婦が1匹連れて帰ったそうな。「貴方どお1匹?」「いやあ、まだナポリにいるし・・・」。うーん、英語は楽だ。

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(子猫の保護室で話をしてくれたMonicaさん)

ベルリンのアート施設「タへレス(Tacheles)」のネコ版というところかな。そういえば、宿からマッジョーレ門へ向かう途中で見た猫も、右耳が少しカットされていました(去勢済みのサイン)。守衛所の後にささやかな水飲み場を与えられており、いわゆる地域猫なのかもしれません。ただ、こうした保護の仕方は、猫が嫌いな人、苦手な人の意見を尊重しない限り早晩破綻します。そこが大変難しい。

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で、ささやかな寄付を含めTシャツを購入しました。シェルターの活動に興味のある方は、以下をどうぞ(英語版)。

http://www.romancats.com/index_eng.php