La associazione volontaria (ボランティア団体)

復活祭(Pàsqua)を控えた金曜日の午後のスパッカ・ナポリです。人でごったがえす観光名所の東の端に、ナポリの古い写真をべたべた貼り付けた不思議なスペースがあります。これは、経済的に恵まれない子どもに、保育の機会、教育の機会を拡げるために活動しているボランティア団体の1つ、Percorsi D'arteのオフィスです。

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f:id:kenjihas:20150404234949j:plain (スパッカ・ナポリの東の端にあるオフィスと店番をしていた団体職員氏)

オフィスは、スパッカに市が所有している物件をほぼ無償で借り、版権の切れた古い写真や絵はがきをDVDに焼いて販売することで、活動資金と子どもへの寄付金を得ています。DVD3枚組で10ユーロ!(安い)。写真4,000枚と古い動画がいくつか含まれているということで、いそいそと購入。

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写真の多くは、絵はがきの取り込み画像と思われますが、ほとんどのカットに撮影場所と年代が入っており、都市誌の資料としても貴重。ただ、JPEGのままではなく、テーマ別(パノラマ、街角、お店、風俗など)にスライドショー的な動画に編集されているため、パワポ等で使う際は、1枚1枚の画像を切り出さねばならないのが少し厄介。自分が撮影した現在の写真と比較すると、都市の移り変わりがよく理解できますが、建築物が増えていることはさておき、一旦建てられた建築物が大切に再利用されていることにあらためて驚きました。建物が、使い捨ての減価償却型資産ではなく、ストックとして何世代にもわたって継承され、都市の景観(原風景)を形成してきたことがうかがえます。

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 (上は、1880年 のルンゴマーレ(海岸線)と現在。かつてのメルジェリーナ港(写真の右側)が半分埋め立てられ、海側に建物の列が広がっている。下は、1865年の中心市街地・ムニチピオ広場から見上げた丘上のヴォメロ(サン・マルチン修道院)と現在。現在の写真は、昔の写真にある右側の並木道から撮影しており、広場そのものは地下鉄工事が佳境で立入禁止)

 

ところで、動画は、19世紀の鉄道馬車や1944年のベスビオ噴火など、貴重な映像がある一方、半分は、マラドーナ率いるSSCナポリ’快進撃’のニュース映像だった。(あ、これはこれで貴重か)